ストレスチェック制度の現状

 平成30年10月に厚生労働省より公表された「ストレスチェック制度の実施状況」をもとに、制度の現状をわかりやすくご紹介します。


①ストレスチェック制度を実施した事業場の割合

実施義務がある事業場のうち2割強が未実施でした。前回発表時と比較すると若干の低下となっておりますが、労働基準監督署によるストレスチェック制度に関する監督強化の動きもあり、実施義務事業者様は確実な義務履行が求められています。

②産業医様等が実施者となった事業場の割合

約7割の事業場が、事業場内産業医や事業場所属の医師・保健師等が実施者として選任しました。前回と比較すると7.5%の増加となりましたが、ストレスチェック制度の有効化には、事業場に直接関与する産業医様の、更なる制度へのご理解と関与が求められます。

③ストレスチェック制度を受検した労働者の割合

前回発表時と大きな変化はありませんでした。引き続き、ストレスチェック制度の有効化を実現していくためには、従業員様が制度をよく理解し、安心して受検できるよう丁寧な事前周知や環境づくりが必要です。

 

④集団分析を実施した事業場の割合

今回、集団分析及びその結果の活用状況という調査名称に変更されました。集団分析をするに留まらずその結果を活用できたか否かが問われたため、前回と比較すると大幅な低下に繋がったとうかがわれます。

⑤受検者のうち面接指導を受けた労働者の割合

最新の研究報告により、「面接指導がどのように役立つのかわからなかったため申出をしなかった」という理由が最も多いことが明らかになりました。面接指導の意義を含めた制度の意味や目的が行き届いていないことが、面接指導を受けた労働者の割合を引き下げていることがうかがわれる結果となりました。

ストレスチェック制度の今後について

昨今の働き方改革の浸透や、今後、行政主導によりパワハラ防止義務化や、公益通報者保護法の改正に基づく内部通報制度の義務化が控えています。ストレスチェック制度を「メンタルヘルス不調の未然防止」として機能させていくことはもとより、ハラスメントの防止を含めた、職場環境改善、維持・向上につなげる施策と位置付け、取り組んでいくことが求められます。