新職業性ストレス簡易調査票(80項目)のメリットとデメリット

新職業性ストレス簡易調査票(80項目)の内容って何?

1.新職業性ストレス簡易調査票とは

 現行の職業性ストレス簡易調査票57問に追加の23問を加えて、職場の環境要因をより細かく見ることができます。

 新職業性ストレス簡易調査票では、仕事の負担に関する尺度が増えて、「情緒的負担」や「役割葛藤」が測定できるようになりました。仕事の資源に関する尺度として、下記の項目が加わり大きく3つのレベルで見ることができます。

  • 作業レベル(仕事の意義、役割明確さ、成長の機会など)
  • 部署レベル(仕事の報酬、上司のリーダーシップなど)
  • 事業場レベル(経営層との信頼関係、人事評価の公正さ、個人の尊重など)

 労働者の仕事へのポジティブな関わり(ワーク・エンゲイジメント)、職場の一体感(職場のソーシャルキャピタル)、職場のハラスメントなども測定できます。

職場

2.ハラスメントの状況把握として使用する場合

 職場のハラスメントを問う直接的な項目として「職場で自分がいじめにあっている(セクハラ、パワハラを含む)」という質問があります。間接的な項目としては、上司の公正な態度「上司は誠実な態度で対応してくれる」や個人の尊重「一人一人の価値観を大事にしてくれる職場だ」の質問で職場のハラスメントについて測定することができます。

3.新職業性ストレス簡易調査票(80項目)を測定後に結果を活用する

 お伝えしてきたように新職業性ストレス簡易調査票は職場環境の実態把握には優れている点がメリットです。しかし、質問内容を従業員の立場になって見ていくと会社の方針、上司や同僚との関係、ハラスメントに関わる質問に答えることはとても負担が大きいと解釈することもできます。

 事業所の方針表明、実態把握後に職場環境改善に役立てるという前後の周知や対応策がないままに実施をすると従業員の不満が大きくなり信憑性のある統計データが取れないというデメリットもあります。新職業性ストレス簡易調査票を検討する際には、職場環境が広く把握できること反面、回答する従業員の負担が大きくなる可能性も視野に入れ経営層や安全衛生委員会で調査審議を行った上で使用することをお勧めいたします。

 弊社では新職業性ストレス簡易調査票を使用にあたり、ガイドブックや職場環境改善による具体的なアドバイスをご提案できますので詳細についてはお問合せ下さい。

ここむ株式会社 メンタルヘルス事業部

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