行政主導により、事業者様におかれましてはストレスチェック制度の義務化や働き方改革の推進にくわえて、メンタルヘルス対策やハラスメント防止策等、包括的なお取り組みが求められる傾向にあります。
2018~22年度第13次労働災害防止計画
労災防止計画で、初めて職場のメンタルヘルス対策関連の数値目標が明示
労働災害防止計画において初となる、職場環境改善に関する以下の数値目標が明示化されました。
- 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以(71.2%:2016年)とする。
- メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上(56.6%:2016年)とする。
- ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上(37.1%:2016年)とする。
上記のほか、産業医・産業保健機能の強化が掲げられ、事業場において過重な長時間労働やメンタルヘルス不調等により過労死等のリスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、医師による面接指導や産業医・産業保健スタッフによる健康相談等が確実に実施されるようにし、労働者の健康管理を推進することなどが明記されました。
パワハラ防止義務化
事業者にパワーハラスメント対策を義務づけ
パワーハラスメント(パワハラ)の防止措置を企業に義務づける法律案が、19年3月8日に閣議決定されました。指針ではパワハラの定義や企業に求める具体的な対応を盛りこまれる予定で、経営者による方針表明、相談窓口の設置、相談者のプライバシー保護や対処策を就業規定に盛りこむことなど、総合的な防止策が求められます。法改正後は、早ければ大企業は2020年4月から、中小企業は2022年4月から防止策が義務化される見通しです。
※パワーハラスメントの定義:
- 優越的な関係に基づく
- 業務上、必要な範囲を超える
- 身体的・精神的な苦痛を与えるといった3つを満たすもの
内部通報制度義務化
事業者に内部通報制度の整備を義務づけ
18年末、内閣府・消費者委員会の調査会より、組織の不正やハラスメント等、コンプライアンスに反する事実を内部通報した人を守る公益通報者保護法の改正に向けて報告書が提出されました。当面、従業員数300名以上の事業者を対象とし、政府による法案作りが開始されています。