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《全国安全週間》労働災害の多くを占める転倒や腰痛

エイジフレンドリー職場へ!みんなで改善 リスクの低減

今年も全国安全週間が始まりました。(2020年7月1日~7日)

今回は労働災害状況で多くを占める「転倒」や「腰痛」についてまとめました。

*エイジフレンドリーとは「高齢者の特性を考慮した」を意味する言葉で、WHOや欧米の労働安全衛生機関で使用。

2019年の労働災害状況

2019年の労働災害状況が発表されました。

死亡災害は845人(前年比-64人)となり、2年連続で過去最少となりました。

休業4日以上の死傷者数については125,611人(前年比―1,718人)とこちらも減少です。

死傷災害の内容を確認すると私達の日常でも身近にある「転倒」「腰痛」が多いことに驚かされます。

安全が最も優先される製造や建設業、医療・福祉業ではないから、私の職場では安全対策は必要ないと思っていませんか?

実は全ての産業や労働者にとって労働災害のリスクがあります。

他人事ではなく私達一人一人が安全な業務環境を整備して自覚を持った行動をしなければなりません。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト(令和2年 労働災害発生状況

在宅勤務における安全対策

最近は在宅勤務を導入する企業が増えており、労働者各々の労働環境についても確認を行い、労務管理の方針を模索している所ではないでしょうか。

厚生労働省のテレワーク導入のための労務管理等Q&A集によりますと、在宅勤務における作業管理の注意点を示しています。

自宅での作業は労働時間や休憩時間の管理が難しくなり、資料を完成させるためについつい没頭しすぎて、気づいたら休憩も取らずに日が暮れていたということも少なくありません。

長時間もパソコンに向き合い、目の疲れ・頭痛・肩こり・腰痛などオフィスで業務をしていた時よりも疲れが取れないことも。

デスクワーカーのVDT作業における心身の負担、腰痛等のからだの症状を訴えている人が増えています。

在宅勤務においても労災保険の適用になるケースがあり、労働者の作業環境への安全対策は事業者側の責任が問われてきます。

事例

自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒した事案。これは、業務行為に付随する行為に起因して災害が発生しており、私的行為によるものとも認められないため、業務災害と認められる。

*厚生労働省のテレワーク導入のための労務管理等Q&A集 20ページ

腰痛になりやすい仕事

  • 医療・福祉分野の援助職や清掃業務従事者はからだの負担が高い
  • 販売や接客業など負担のかかる立ち仕事
  • 運送業における重量物の積み込みや荷降ろし
  • 運輸業など長時間集中力を伴う運転
  • 長時間座ることが多いデスクワーク
  • ストレスによる負担が高い仕事

安全教育のポイント

  1. 転倒や腰痛等、労働災害になりやすい内容の知識
  2. 作業環境、作業方法の課題抽出と改善見直し
  3. 機器や補助道具の安全な使用方法
  4. 作業前の体操や予防のためのストレッチ、こまめな休憩等
  5. 心身を整えるための呼吸

ほとんどの腰痛は原因が分からない

整形外科でレントゲンを撮ったけど異常なし、治療をしても治らない場合は仕事や日常生活でのストレスも疑ってみましょう。

ストレスに長時間さらされていると脳内神経伝達物質のバランスが低下して「痛みの機能」がマヒしてしまいます。

診断では異常がないからと我慢を続けていると知らず知らずにメンタル不調の病気になる可能性も出てきます。

原因不明の腰痛は最近ストレスが溜まっていないか、メンタル面も合わせて振り返ってみましょう。

目に見えない心のサインが腰痛によって現れているかも知れません。

ストレスチェック結果の身体愁訴でからだのサインを調べる

職業性ストレス簡易調査票ではストレス状況の確認として「心身のストレス反応」が把握できます。個人のストレスチェック結果では、身体愁訴(しんたいしゅうそ)項目で確認できます。

組織単位では新職業性ストレス簡易調査票のいきいきプロフィールで「身体的負担」「職場環境」と合わせて職場環境改善活動に活用できる従業員の心身状況の把握ができます。