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2020年に改正!男女雇用機会均等法(セクシュアルハラスメント対策)はどう変わった?

男女雇用機会均等法の2020年改正ポイント

1999年4月男女雇用均等法「女性労働者に対するセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止のための配慮義務」がスタートし、2007年4月には「男女労働者に対するセクハラ防止の措置義務」に改正しました。

2017年1月施行の内容では「マタニティハラスメント(マタハラ)防止の措置義務」が追加され、男女が性別で差別されることなく均等に働ける環境が整備されてきました。

2020年6月パワハラ防止法のスタートと合わせて、男女雇用均等法のセクハラ防止対策の強化についても改正されることとなりました。今回は改正される内容についてポイントをまとめました。

セクハラ防止対策の指針 改正内容

大きくは下記4点についての内容が追加させることになっています。

  1. セクシャル・ハラスメント等を行ってはならないという関心や理解を深め、他の労働者に対する言動に注意を払うことなどを責務とすることを、事業主が明確化し周知・啓発。
  2. 「性的な言動」に含まれる範囲が取引先や顧客(カスタマーハラスメント)、患者様やその家族、学校の生徒などに拡大。
  3. セクハラの事後対応において、他の事業主が雇用する労働者等にも事実関係の確認や再発防止に向けた措置への協力を求めることができます。他の事業主はセクハラの事実確認の協力依頼に努める必要があり、協力に求めることを理由とした不利益な取り扱いを行なってはいけません。セクシャル・ハラスメント等の調整制度では、職場の同僚なども出頭・意見聴取ができるように対象者が拡大。
  4. 事後対応の相談対応では、被害者の心身状況や受け止め方に配慮した対応が求められているため、相談を受けた場合の対応について担当窓口の担当者に対し研修を行う必要があります。相談窓口の一元化(パワハラ・セクハラ・マタハラなどの相談に関して)が望ましく一体的に相談体制を設置することが望まれています。

「性的な言動」の範囲が拡大された背景に、セクハラの行為者が職場内だけに留まらずカスタマーハラスメントと言われる取引先や顧客から被害を受けているケースが多いことが伺えます。これまでは顧客尊重の傾向があり、理不尽な要求や迷惑行為に対しても真摯に対応していた事業所や労働者はリスク対策の一助になるのではないでしょうか。

セクハラに関する相談件数の推移

男女雇用機会均等法に関する相談状況(平成30年厚生労働省)によると、平成29年度と比べてセクハラに関する相談件数は増加しており、労働局長による紛争解決の援助の申し立て件数もセクハラに関する内容が最も多くなっています。この背景には行政による施策やセクシャル・ハラスメントやカスタマーハラスメントを許さないという世論の風潮もあり、特に事業主においては指針に基づいた適切で着実な対応がますます求められていくといえます。

相談の状況

  • 相談件数は19,997件(対前年度比4%増)(図2-1)。
  • 相談内容別に見ると、「セクシャルハラスメント(第11条関係)」が最も多く7,639件(38.2%)、次いで「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(第9条関係)」が4,507件(22.5%)となっている。(表2-1)
図2-1 相談件数の推移
図2-1 相談件数の推移
表2-1 相談内容の推移 (件)
  29年度 30年度
性差別(募集・採用、配置・昇進、教育訓練、間接差別等)(第5条~8条関係) 1,266(6.6%) 1,085(5.4%)
婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(第9条関係) 4,434(23.1%) 4,507(22.5%)
セクシャルハラスメント(第11条関係) 6,808(35.5%) 7,639(38.2%)
妊娠・出産等に関するハラスメント(第11条の2関係) 2,506(13.1%) 2,108(10.5%)
母性健康管理(第12条、13条関係) 2,686(14.0%) 2,784(13.9%)
その他(ポジティブ・アクション等)

1,487(7.8%)

1,874(9.4%)
 合計 19,187(100.0%)

19,997(100.0%)

男女雇用均等法でセクハラに対する防止策が講じられて約20年が経ちましたが、まだ企業名公表に繋がったケースはありません。セクハラ防止は男女労働者の措置義務となっておりますが、被害者が女性に多い現状を見ると、目的である「男女に対して法が定める均等な機会と待遇」が整っているのか、今一度振り返る機会が来たといえます。

事業者の皆さまにとっては、今回の改正を受けて社内整備を進める際にセクハラ防止法の対策について関係者で振り返りと検証を行い、さらなる防止に向けた取組みが求められます。

当社による支援策のご提案

当社では、専門職によるハラスメント防止研修の実施やメンタルヘルス相談ホットラインをご提供しております。また、ハラスメントの周知・啓発や相談対応の対応についてご支援いたします。