緑豊かな季節となりました。ゴールデンウィークが終わりいつもの日常へと戻りましたね。新年度が始まったばかりで、また慣れない日々に戻りストレスの蓄積を実感する方も多いのではないでしょうか。
今回は気候の良いこの時期におすすめのストレス軽減方法「花と緑の鑑賞」についてお伝えいたします。
植物(花や緑)のストレス軽減に関する効用
花や緑には、「ストレスの軽減」や「社会性の向上」、「認知機能の改善効果」等に効果があると言われています。具体的に効果は下記の通りです。
花の画像は青空や椅子の画像よりもストレス軽減に有効である
実験参加者35名の方(平均年齢24.4歳)を対象に、ストレス期に不快画像(例:事故画像、ヘビ、虫など)を6秒間提示した後、花、青空(自然で心地よい印象)または椅子(人工的で中立的な印象)の画像を6秒間提示して26秒間安静にする(回復期)試験を各10回ずつ、計30回繰り返して血圧の変化を記録しました。
すると、青空や椅子と比較して平均血圧が低い状態が8秒も長く続いたとの結果が出ました。
花の画像はストレスホルモン(コルチゾール)を下げる
実験参加者32名の方(平均年齢21.6歳)に対して、不快画像を4分間提示(ストレス期)した後、花の画像もしくは花のモザイク画像を8分間提示し(回復期)、唾液中コルチゾール値を比較しました。
すると花の画像を提示した条件では、ストレス期に比べ回復期においてストレスホルモンであるコルチゾール値が低下しました。
花の画像は不快な記憶の想起やネガティブな情動の生起を抑制する
実験参加者17名の方(平均年齢25.5歳)を対象に、不快画像の後に花または花以外の画像(花のモザイク、固視点)を見ている時の脳活動をfMRIによって計測したところ、花条件では花以外の条件に比べて右半球の扁桃体から海馬に至る領域で活動の低下を認められました。
この様な実験結果から花にはストレスを軽減する効果が見られることが分かります。
これからの季節は様々な花が咲きますね。是非普段のストレスを解消するためにも、お庭やベランダでお花を育ててみたり、お花屋さんでお花や観葉植物を買って飾ってみたり、植物園に足を運んでみたりして、リラックス方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。また画像でも効果があるようなので、お花の写真をスマートフォンの待ち受けにしたり、カレンダーが植物のものを選ぶのも簡単に取り入れることができますね。慌ただしい日常の中で少しずつ花や緑を取り入れてみてください。
引用資料:農林水産省「花きの現状について」