職業性ストレス簡易調査票の評価(ストレス判定)は、労働者個人レベルのストレス評価を行うための2つの方法のほか、部署等の集団における心理的なストレス要因を見つけ出す方法が用意されています。
標準化得点を用いた採点法、設問の全57問に対する回答から、それぞれの尺度に該当する項目の点数を算出した上で、それらを5段階に換算して評価を行ないます。これらの標準値は、あらゆる業種や職種に従事する約2.5万人(男性 15,933 人、女性 8,447 人:2004年12月)のデータベースが基準として採用されています。高い信頼性があるといえますが、算出式が複雑な為、採取したデータ群を入力・自動解析するプログラムが事務局から提供されています。
この採点法では特に、①「抑うつ感」、②「不安感」、③「疲労感」、④「イライラ感」や「身体愁訴」、⑤「活気の低下」の順番で、高いストレスレベルでみられる症状が現れることが、調査票の開発時に労働省委託研究班により報告されています。よって、働く人々の深刻なストレス問題を観察する場合は、「抑うつ感」に着目して該当する回答者に注意を払っていく必要があるとされています。
簡易採点法は、主に個人レベルのストレスを簡便に判定することを目的としています。活用方法としては、①記入した人々が自分自身のストレス度をチェックする為に用いることができ(セルフチェック)、②用紙で簡単に評価ができるため簡便で短時間の判定が可能であり、産業医や保健師による健康診断や相談の際に補助資料として活用することが可能です。
(A)仕事のストレス要因に3つ以上チェックが付いた場合や、「仕事の負担度」、「仕事のコントロール度」と(C)「職場の支援」が要チェックとなっている場合は、高い確率でストレス問題が疑われます。
仕事のストレス判定図は、事業場全体、部や課などの集団を対象として仕事の心理的なストレス要因を評価し、それが従業員のストレスや健康リスクにどの程度影響を与えているかを判定できます。
判定図の結果が個人差に左右され、正しい評価ができないといったことを防ぐため、20人以上、最低でも10人以上の単位で作成することが望ましいとされています。また、ストレスチェック制度では少人数を対象とした分析による個人が特定されてしまう可能性も排除する為、10名以上の母集団を分析対象とすることが求められています。
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